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ユーザー満足度を上げるには?エンゲージメントランク上位メディアから編成のヒントを探る
新聞やテレビ局、週刊誌などのニュースをはじめ、スポーツ情報やファッション、趣味などさまざまなメディアが記事を配信している「LINEアカウントメディア」。昨年8月には「LINEアカウントメディア Select」もスタートし、ローカル情報もますます充実。参画メディアは430※を超えました。(※2023年2月時点 LINE MOOK、AM Selectおよび自社媒体含む)
ユーザーの趣味嗜好の多様化も進み、メディアの皆さまにおいても、ニーズを模索しながら日頃配信いただいているのではないかと思います。
実際に各メディアのご担当者さまからは「どうすればよりLINEユーザーに読んでもらえるようになるか?」「ユーザー満足度を上げるためにどんな改善点が考えられるか?」といったお問い合わせも多くいただいている状況です。
皆さまのそうした疑問を解消するべく、今回の記事では、過去のインタビューに触れながら、定時配信の運用におけるヒントをご紹介していきます。
LINEユーザーがアカウントメディアに求める情報とは?ニーズを踏まえた定時配信の編成ノウハウに迫る
まずは定時配信におけるコンテンツのテーマ選定と編成について。
ユーザーは、自ら選んで各アカウントをフォローしているため、フォローしたメディアに対して、一定の関心を持っていると想定できます。そうしたユーザーがどんなコンテンツを求めているのか、手探りで定時配信を編成しているメディアも少なくないのではないでしょうか。
総合ゲーム情報を取り扱う「4Gamer」の編集長・岡田和久さんは、自社サイトである「4Gamer.net」とアカウントメディアではユーザーの趣味嗜好が必ずしも一致するわけではないと感じているそうです。
アカウントメディアであれば一般層にアプローチできるという考えは正解でした。4Gamerの読者と比べると、友だち登録してくれる方が圧倒的に若かったのです。ただ、自社サイトの流入はほとんどなかったため、4Gamer本体を見るコアなゲーマーと、アカウントメディアを見るライトな一般層というすみ分けができました。(編集長・岡田さん)
(中略)
自社サイトとアカウントメディアでは読まれる記事が全く違います。なので、アカウントメディアに掲載する記事は「自社サイトで注目されたから」という理由では選びません。見出しも読者を限定せず、幅広い層が興味を持てるものにできるよう、頑張っています。アカウントメディアで得た知見は、サイトの編成などにもフィードバックし、メディアそのものを磨く要素の一つになっています。(アカウントメディア担当の編集部デスク)
「たまにスマホでゲームをするくらいの一般層へのアプローチ」としてアカウントメディアを活用いただいています。
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よりディープな情報やLINEユーザー向けの独自企画も
“テストする女性誌”として、読者に代わって日用品などをあらゆる角度から徹底的に検証している「LDK」では、よりディープな情報を定時配信に組み込み、LINEユーザー向けに独自企画も行っているそうです。
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L:リビング、D:ダイニング、K:キッチンという誌名に
経緯を伺ったところ、LDK総編集長の木村大介さん、アカウントメディア運用担当の西尾記代子さんから下記のようにお話ししてくださいました。
雑誌に載せるにはニッチすぎる情報や細かすぎて誌面には書き切れない情報が、実は検索されて読まれていることがあるので、そういう息の長い記事を増やしている最中です。
ある意味、雑誌よりディープな情報が読まれるということでもあるので、ニーズに応えるという意味で読者に貢献できているのかなと思いますね。(木村さん)
(中略)
本誌からの再編集記事に加え、LINEユーザーに響くオリジナル記事も立ち上げました。
本誌の読者にもアカウントメディアを読んでほしかったのですが、雑誌の再編集記事ばかりでは読む気にならないなと思いまして。なにか独自の企画をやろう、どうせやるならLINEユーザーにウケるものをやろうと考えました。(西尾さん)
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親しみやすいイラストを交えながら読者目線の使用感を添えています
こうした「雑誌に載せるにはニッチすぎる情報や細かすぎて誌面には書き切れない情報が、実は検索されて読まれていることがある」という体験について、他のメディアさまでも近しいお話がありました。
光文社の「女性自身」からは、ニッチな情報が読まれることに対してモチベーションを感じているとコメントをいただいています。デジタル事業を統括する森本隆二さん、アカウントメディアの運用を担当する越知恭子さんのコメント詳細は下記の通り。
モチベーション向上の鍵はまだあります。1本では読まれにくい記事にスポットライトを当てることです。
スクープ記事などはSNSを通じてその記事単体で“バズる”一方で、取材を重ねた記事でも記事単体では読まれにくいことがあります。アカウントメディアでは記事を8本セットで配信できるので、1本では目立たない記事も、8本のパッケージに入れば読まれやすくなるそう。LINEに配信すれば読まれる機会を増やすこともでき、部内でも重宝されるようになりました。
8本組みというアカウントメディア(AM Selectは4本組み)の特性を生かして、ニッチな情報も織り交ぜてユーザーの反応を見てみることで、ユーザーニーズを探るヒントが見つかるかもしれません。
画像を多く掲載し、配置にも工夫を凝らす。記事を開いたユーザーの満足度を上げるには
ここまで定時配信におけるテーマ選びや編成の工夫についてご紹介しました。ここからは、定時配信を受け取ったユーザーの満足度をより上げるために、記事をタップしたユーザーが、より没入しやすい記事構成について紹介していきます。
働く女性向けに暮らしや子育ての情報を発信する「CHANTO WEB」では、かつて5000字を超える長編のコラボ記事(コラボ記事の概要は下記をご覧ください)を制作いただきました。
これは、長文であっても読了率が高かった記事の一つ。多くのユーザーを引きつけたのは、雑誌「CHANTO」を手掛けていた頃とは逆の発想で記事を組み上げたことでした。
CHANTO WEB編集長の有路直生さん、コラボ記事の編集を担当した堀合優子さんは下記の通りコメントしています。
画像をたくさん使うようLINEさん側から何度も提案があったんですよね。たくさん使っているつもりでも、もっと使ってくれと。似たようなカットがすでに記事に載っていたので使わずにいた画像があったのですが、それも最終的に載せるなど、画像に一番苦労したかもしれませんね。(堀合さん)
雑誌を手掛けていたこともあり、これまで蓄積してきた紙の記事作りの手法や発想に偏りがちで、写真は何十点も撮影した中から“1枚を選び抜く”という思考が強かったんです。「画像が次々現れることでスクロールして記事を読み進める動機付けになる」と言われていたのですが、振り返ると読了につながる要因の一つだったと思います。ユーザー視点で読みやすい記事に仕上げるために、柔軟に考えるヒントをもらいました。(有路さん)
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誌面とは逆の発想で、画像を多めに掲載。ユーザーを没入させる工夫の一つとして、編集いただきました。
では、具体的にどのくらい画像を盛り込むのが理想的なのでしょうか?
「GDOゴルフニュース」のアカウントメディア運用統括担当・糸井順子さんは、記事のレイアウトやテキストの長さといった編集面に関して下記のような工夫をされているようです。
“読みやすさ”に力を入れるようになりました。アカウントメディアは画面の横幅が狭いスマホで見ることを前提に設計されているので、PCでの閲覧を想定して配信していた、画像1枚にテキスト何百文字という記事では読みにくいんですよね。そこで、自社サイトでもアカウントメディアでも画像を増やし、スマホで読んだときに1画面の中に必ず画像とテキストが入るように配置したところ、ユーザーの完読率が上がったのです。
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今回ご紹介したポイントはあくまで一例ですが、運営方針やデイリーの定時配信に悩んでいる皆さまの参考になれば幸いです。
それぞれのインタビュー記事で各工夫ポイントについて詳しくお話をいただいておりますので、該当の過去記事もぜひ併せてご一読ください!
次の記事では、定時配信面でタップしたくなるタイトル付けやサムネイル設定の工夫について紹介します。
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