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3.11特集に込めた思い 働く女性向けメディアCHANTOが取り組む "社会課題へのコミット"とは

LINE NEWSでは、メディアとプラットフォームで知見を持ち寄ってオリジナル記事を制作する「コラボ企画」という取り組みを行っています。
ある事象を深く掘り下げた記事など、社会的意義の高いコンテンツをより多くのユーザーに届けることを目指しています。

東日本大震災の発生から10年となる2021年3月には、「3.11特集」として新聞社やテレビ局など9つのメディアとコラボ企画を実施しました。

今回、さまざまな側面からこの10年を見つめるべく、働く女性向けに暮らしや子育ての情報を発信するWEBメディア「CHANTO WEB」とも記事を企画。記事は読了率が高く、多くのユーザーを引き付けました。

記事に込めた思いやコラボを通しての気付き、そしてCHANTOがメディアとして目指す姿などについて、編集長の有路直生さん、記事の編集を担当した堀合優子さんに伺いました。

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高い読了率で女性ユーザーから支持された記事

2021年3月6日にLINE NEWSで配信された「10人に1人が亡くなった町で 18歳で母になった少女を支えた“放課後の居場所”#あれから私は」。

東日本大震災で被災した少女とその支援者を軸に、10年を経て母となり育児と仕事の両立に励む女性の過去、今、これからを描いた記事です。

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手掛けたのは主婦と生活社の「CHANTO WEB」。同名の月刊誌から誕生したWEBメディアです。
“働く女性の生きやすさにコミットする”をミッションに、女性の生き方・働き方・暮らし方に関する実用的な情報を展開しています。

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今回の企画は、暮らしや子育てに向き合ってきたCHANTOに「家族をテーマに3.11を考えられないか?」とLINE側からご相談したことがきっかけで始まりました。

「私たちはもともと月刊誌で、時短レシピや収納術といった生活実用情報を取り上げていました。Webマガジンになってからは働く女性のニュースメディアとして情報を発信してきましたが、果たして3.11というテーマで記事を書けるのかという懸念はありましたただ、LINEさん側から“家族”というテーマを提示してもらい、これまで生活者の視点に寄り添って取材を続けてきた経験と掛け合わせられそうだなと思い、挑戦してみることにしたんです」(有路さん)

「いつも協力していただいているライターさんと切り口を探ってみると『当時ボランティアをしていた』『今も募金を続けている』など、ライターさんたち自身が3.11と接点があることを教えてくれて。関心の強いテーマから取材を進めて、内容を磨いていきました」(堀合さん)

LINEからも、専任の編集担当が企画をバックアップ。LINEユーザーのコンテンツ消費の傾向を基に、スマートフォンに特化した記事の見せ方やテーマの深め方などを密に話し合いながら、企画を作り込んでいきました。

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試行錯誤の末に完成したのは、LINE NEWSの記事の中では“長編”とも言える5000字を超える1本。

長いので読んでもらえるか不安でいっぱいでした」(有路さん)という言葉をよそに、記事は3.11というシリアスなテーマながら高い読了率を記録。女性を中心に多くのユーザーに読まれる結果となりました。


“アップデートすべきは意識と手法”
プラットフォームとのコラボを経た発見

長い記事ほど途中で離脱されてしまう…というのがWebの実情とも言えますが、高い読了率の背景にはなにがあるのでしょうか。
今回、雑誌「CHANTO」を手掛けていた頃とは逆の発想で記事を組み上げたことが功を奏したようです。

「画像をたくさん使うようLINEさん側から何度も提案があったんですよね。たくさん使っているつもりでも、もっと使ってくれと。似たようなカットがすでに記事に載っていたので使わずにいた画像があったのですが、それも最終的に載せるなど、画像に一番苦労したかもしれませんね」(堀合さん)

「雑誌を手掛けていたこともあり、これまで蓄積してきた紙の記事作りの手法や発想に偏りがちで、写真は何十点も撮影した中から“1枚を選び抜く”という思考が強かったんです。『画像が次々現れることでスクロールして記事を読み進める動機付けになる』と言われていたのですが、振り返ると読了につながる要因の一つだったと思います。ユーザー視点で読みやすい記事に仕上げるために、柔軟に考えるヒントをもらいました」(有路さん)

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コラボ企画を通しての発見は、いわゆる“読ませるテクニック”だけにとどまりません。

これまで主に暮らしの実用情報を扱ってきたCHANTOにとって「人をどう描くか」という点は、手探りで進めていたといいます。
そのため、CHANTOとLINEの編集担当の間で“主人公の女性の背景や心情をどこまで細かく描くか”について、何度もやりとりを重ねました。

物語の主人公は「3.11で実家や祖父母を失い、高校卒業後すぐに妊娠・結婚した女性」です。彼女の成長や苦悩、そして母となってからの奮闘ぶりなどを描いています。

奮闘ぶり2

記事の最後、女性は自身を支えてくれた「放課後学校」やそのスタッフのことを振り返り、「今度は私が居場所をつくる側にまわっていけたら」と語ります。
震災で傷ついたかつての少女が、10年を経てこう考えられるようになった意味や価値を伝えるためにも、彼女の心のひだまでを描いていく必要がある―――。

主人公の女性の悲しみ、そしてそこから踏み出し始めていくきっかけや心の動きを丹念に積み上げ、同時に支援者の言葉も織り交ぜていくことで、主人公の感情を立体的に浮かび上がらせました。

「心情を描くに当たって、なぜそのように感じたのか、そしてその気持ちがその後どうなるのかと、心情の背景と変化を語り込むことが大切だと気付けたことは大きかったです。記事を読んだ人の心をつかむのは、感情なんですよね。これまでの生活情報の取材ではあまり感情にフォーカスすることはなかったので、取材の段階から心構えを変えて臨まなければならないと感じました」(堀合さん)

“生き方は変えられる”
メディアとして変化するCHANTOが伝えたかった思い

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CHANTOは、最終的にコラボ記事も含めて計4本の3.11に関連する記事を制作。自社サイトでも大きく展開しました。

一方で、3.11を題材にしたインタビュー記事に関しては、以前から制作の話が挙がることはあったそうですが、実際に取り組むのは今回が初だったとのこと。

そんな中で、今回のコラボ記事を手掛けた背景には、CHANTOの“メディアとしての変化”が関係しています。

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CHANTOは、雑誌とWebが並行で展開されていましたが、2020年4月にWebに統合することに。そのとき、CHANTOというブランドの目指す方向や存在意義について、スタッフが腰を据えて議論を行ったそうです。

「ブランド名CHANTO(ちゃんと)という言葉の意味から認識の共有をし直しました。動詞や目的語がない曖昧なこの言葉の受け取り方はさまざまですが、私たちはこの言葉に“Reset our Lifestyle(ちゃんと、自分たちの暮らしを整えたい)”という思いを込めています。流れゆく時代のなかで一度立ち止まり、今まで見過ごしてきた共働き時代の課題にきちんと向き合う。古くなった暮らしのあり方や思考を整えていく。女性の課題解決に取り組んでいこうと、編集部では話し合いました」(有路さん)

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(“Reset our Lifestyle”=ちゃんと、自分たちの暮らしを整えたい)

暮らしや価値観をアップデートするためには、そして“働く女性の生きやすさにコミットする”というミッションを実現するためにはなにをすべきか。

たどり着いたのは、日々の暮らしに関する情報発信にとどまらず、今回の特集記事のような、社会課題や人々の意識、行動にまで働き掛けるようなオピニオン記事を展開していくという構想です。

「これまで家事分担の問題など、共働き家庭によくある生活課題の解決策を紹介してきました。ただ、いくら実用情報を発信しても、例えば『パートナーの会社では残業が当たり前で帰宅は深夜』という状況だった場合は、なすすべがありません。働く女性を取り巻く課題を解決するためには、その背景にある社会課題にも着目し、私たち一人一人が生きやすい世の中について考えなければならない。そのきっかけになるような取り組みを行っていくべきだと考えました」(有路さん)

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(女性を取り巻く課題についてさまざまな企画を展開)

社会課題に切り込む必要性を感じていたタイミングだったからこそ、初の試みながら3.11というテーマに取り組んだというCHANTO。

コラボ記事の中で描いたのは、震災を経験した少女が支援団体の女性をロールモデルとして成長し、育児と仕事の両立を自ら選んで生きる現在の様子。“生き方は変えられるんだ”というメッセージを込めました。

「記事の内容は、家族という切り口に加えて、1人の女性の生き方にフォーカスしたものでした。震災の記憶を風化させてはいけないという側面もありつつ、視野を広げることで生き方を変えられるということを、世の女性に伝えたいという思いもありました。そんな思いが、多くの方に届いていたらうれしいです」(堀合さん)

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メディアとして新たなフェーズに入り、変革と挑戦の真っ最中とも言えるCHANTO。
今後はオピニオン記事をはじめ、さまざまな側面から“女性を取り巻く課題の解決”を目指して取り組みを進めていくそうです。

「コラボ企画の取り組みからはさまざまな刺激をもらいました。私たち自身も古い価値観にとらわれず、読者が求める情報とずれがないよう意識をアップデートしながら『もっとこうしたら世の中がよくなるのでは?』という提案を続けていきたいです。記事に限らず、オンライン形式のイベントなどで読者と交流を図り、社会課題について話し合う機会も設けるなど、さまざまなアプローチを進めていきます」(有路さん)

LINE NEWSでは、その時々に取り組むべき事象や世の中の節目に合わせて、今後もさまざまなメディアとのコラボ企画を展開する予定です。

メディアからユーザーへ、よりよい形でコンテンツを届けるお手伝いをすべく、さまざまなテーマの切り口や記事の見せ方を、メディアとプラットフォームで一緒に模索していければ幸いです。

CHANTO WEBはLINEアカウントメディアで週3回コンテンツを配信中。
女性の生き方・働き方・暮らし方に関する情報の他、芸能人のインタビューや漫画連載など、忙しい毎日でも短い時間で楽しめる記事をお届けしています。

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毎週、月・水・金の16時55分に配信 
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