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メディアの「濃く深い」記事をLINEで届けたい 特別なコンテンツ「コラボ企画」とは?

LINE NEWSは「LINEアカウントメディア」に参画するメディアと一緒に「濃く深い」記事を届けることを目的として、共同で記事を制作する「コラボ企画」という取り組みを実施しています。

コラボ企画は、ストレートニュースや時事的な話題以外でも、社会的な意義のあるコンテンツを多くのユーザーに届けたいという思いから生まれた取り組みです。未知のジャンル、知られざる歴史、重厚なヒューマンストーリーなど、ユーザーが普段は出会いづらいテーマに触れることで多くの気付きを得てもらえるよう、さまざまなメディアと共にLINE NEWS限定で特別なコンテンツを配信しています。

また、一つのテーマを設定した上で複数のメディアと連携し、その媒体ならではの視点で書かれた記事をシリーズで配信することもあります。3月には東日本大震災に関するもの、8月には戦争にまつわるもの、12月には1年間の振り返り…などを展開してきました。

地元紙から全国に“3.11”を語ってもらうため、始まった

コラボ企画を始めたのは、メディアが時間をかけて取材した内容をLINEユーザーに届け切れているのか、と改めて考えたことがきっかけでした。メディアからも、通常配信では出し切れない企画や、紙面化の際にそぎ落としてしまった内容があること、広く届けたい記事がインターネットでは埋没してしまうことなどの課題をお聞きしていました。その解として記事が掲載される場の提供と制作費の支援ができないか、との思いから始まっています

初めてのコラボ企画は2018年3月、宮城県の地元紙・河北新報と共に実施。東日本大震災から7年を迎えるに当たって、同社とLINE NEWSは共に風化への危機感を強めていました。両者で話を進める中で、LINE NEWSとしても、被災者の思いや暮らし、被害に遭った地域の現状について「自分ごと」として報じ続けている地元紙だからこそ書ける記事があることに改めて気付かされ、全国のユーザーに届けたいという思いを強く持ちました

こうして出来上がったのが、津波で流された陸前高田市のジャズ喫茶を営むご主人を取材したものです。苦難に耐えながら希望を失わず、8年目の再出発を迎えるまでの日々を追った地元紙ならではの内容でした。

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ニュースタブに掲載した「コラボ企画」初の記事

これを機に始まったコラボ企画は、新聞やテレビのほか、雑誌や各専門媒体など幅広いメディアにご協力いただき、毎年数十本を実施しています。

コラボ企画が目指したのは、メディアが取材した渾身の「濃く深い」記事を多くの人に読んでもらうようにすることです。瞬時に消費されてPVだけが残るのではなく、ユーザーに深く響くコンテンツを届けるお手伝いができないかとメディアと一緒に模索してきました。

SNSで反響が大きいことも多く、「泣いた」「身震いした」という感動の声や「Webでもこのような骨太の長文記事が読めるのか」といった驚きが投稿されることも多々あります。

一方、共同制作したメディアからは「自分が書いてきた記事の中で一番読まれた実感がある。SNSなどでこんなにも反応があったのは初めてだった」「普段はなかなかリーチできない読者層、特に若い世代に届けることができた」などの所感を頂きました。

また制作に当たっては、スマートフォンで読むことを前提に通常の配信では用いない表現をしたり、動画を作ったりすることで、記事に没入させていく仕掛けを“実験”する場としてもご活用いただいています。「斬新な表現方法にもチャレンジすることで、ユーザーから高い評価を得られた。また、ナレッジもたまった」とのフィードバックもありました。

コラボ企画が大切にする観点

コラボ企画では、5つのキーワードを軸に共同制作しています。

1, 普遍性
コラボ企画は、幅広い世代が利用しているLINEのニュースタブで掲載するため、伝えたい内容をできる限り広く届けることを目指しています。テーマや主人公がメジャーかニッチかは関係なく、多くの人に届けるべきメッセージがあるかを重視。そして、専門的になり過ぎず、多くの人に伝わりやすい言葉と構成を考えます。
ゴング格闘技の「デカセギからRIZINへ~サトシとクレベル、日系ブラジル人とボンサイ柔術と日本の絆」は、日系ブラジル人格闘家と日本人の交流を描き、多様性や共生社会へのメッセージを伝えました。アニメ!アニメ!の「【アニメで戦争の記憶継承】『この世界』片渕監督―戦争を直接知らないからこそ、伝え続ける意義がある」では、映画を見ていない人にも伝わるよう作品の映像を挿入し、監督の思いを丁寧にくみ取っていきました。

2, メッセージ性
コラボ企画では、記事を読んだユーザーの考えや価値観を変えたり、背中を押したりするような「ユーザーの明日が変わること」を目標に掲げています。単なる問題提起にとどまらず、ユーザーの態度変容につながっていくような、メッセージ性のある内容を目指しています。
テレビ新広島(TSS)の「機械で動く心臓 移植は4年待ち… 臓器提供『もしかしたら次はあなたのそばでも…』」は、「YESでもNOでもいいから、臓器提供の意思を示す大切さを知ってほしい」というメッセージを込めていただき、ユーザーから「私も運転免許の裏で意思表示をしました」など多くの反響がありました。また記事内で紹介した、臓器移植の普及活動に対するクラウドファンディングにもたくさんの支援が集まりました。

3, 独自性
アカウントメディアに参画しているメディアの数は430以上(2023年6月時点)。そのメディアならではの取材力や蓄積に基づく強みを生かした視点で、テーマを設定しています。
札幌テレビ放送(STV)の「ウクライナは『他人ごとではない』ロシアに奪われたままの故郷 日本にある領土問題」では、かつて北方領土に住んでいた男性の思いを、ロシアのウクライナ侵攻と重ね合わせて描くという、北海道の地元局ならではの視点で切り取っていただきました。
毎日新聞の「ついていったらマルチだった―。“洗脳”で全てを搾取。『潜入取材』で暴いた正体と、首謀者の言い分」は、記者自身がマルチ商法団体の内側に入り込んだからこそ見えてきた、スリリングかつ生々しい描写が読み手を引き付けました。

4, プレミアム性
コラボ企画はメディアとLINE NEWSが共同で手掛けるスペシャルコンテンツとなります。ストレートニュースではなく、多角的な周辺取材で主題の輪郭を浮かび上がらせたり、一つの事柄を深く調査したりすることで、一度の取材では到達し得ないゴールに達することを理想としています。
MBSニュース(MBS)の「『世界を変えて』総理に宛てられた手紙と、命を絶った男の子の叫び "13歳の声"に見る『不登校』のいま」では、不登校となった中学生やその家族に密着し、切実な叫びを書き込んでいただきました。
CBCテレビNEWSの「アサリ産地偽装を追った5年間 日本中を巻き込んだ大規模な不正の裏側」では、疑惑を知った記者が5年にもわたって取材を続けた成果を、産地偽装を生む社会背景にまで踏み込んで伝えていただきました。

5, 新規性
コラボ企画では、従来の体裁にとどまらない“新しい見せ方”に取り組んでいきたいと考えています。例えば文字や画像だけでは伝わりにくいことが、数秒の動画でくっきりと伝わることがあります。決定的瞬間を捉えた緊張感ある映像や、登場人物の喜怒哀楽を収めた動画などをテキストの中に織り交ぜた“新しい見せ方”に取り組んでいます
長崎新聞の「水中のペンギン ー俺が絵を描く理由ー 強い魅力を持つ絵画をいつか世に」は、手の不自由な状態で画家を目指している方がどのように絵を描いているのかを動画で克明に伝えていただきました。
テキストを軸としながらも、動画や各種クリエイティブなどと掛け合わせたハイブリッドな見せ方で、ユーザーの理解度、満足度向上につなげていきたいと思っています。

こういった5つの観点を持ちながら、メディアの記者とLINEの編集者が共同で制作。スマートフォンに最適化し、広い読者層を想定した飽きさせない見せ方を考え、作っています

掲載と取材費の支援

コラボ企画では、LINE上で月間7,700万人(※2021年8⽉時点)が利用するニュースタブでの掲載と、取材費支援によって成果の最大化を目指しています
不特定多数の人が訪れるニュースタブに掲載することで今まで届けられなかったユーザー層にも記事をリーチさせるとともに、充実した取材をしていただけるよう取材費の一部を支援しています。

ニュースタブでの掲載イメージ


掲載後は、読んだユーザーの属性や読了率などをレポーティング。読者の性別、年代や住む地域の他、どれくらいの人がどこまで読んだのかなどを把握・分析することができます。

参画メディアの皆さまへ

コラボ企画はテキストで3000字以上を目安とし、画像や動画をふんだんに使い、スマートフォンでの新しい見せ方を模索しています。また、記事はオンラインではLINE NEWSを初出とし、独占配信する共同企画となります。(各メディアの自社サイトでの同時公開は可)
LINE NEWSではこれからも多くのメディアとコラボレーションし、素晴らしいコンテンツをユーザーに届ける橋渡し役となりたいと考えています。5つのキーワードに当てはまりそうな企画や、多くのユーザーに届けたいテーマがあれば、アカウントメディア担当窓口までご連絡いただけると幸いです。


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