“デジタルに弱い”と自認する婦人公論.jp 1年半で“スピード受賞”できた理由とは
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“デジタルに弱い”と自認する婦人公論.jp 1年半で“スピード受賞”できた理由とは

LINEアカウントメディア 公式ブログ

「LINE NEWS AWARDS 2021」にて、ユーザーから高い支持を得て「LINEメディア賞」の女性部門を受賞した「婦人公論.jp」。創刊は大正5年、100年以上の歴史を持つ雑誌ですが、Webでの展開を始めたのはわずか3年前、LINEアカウントメディアのスタートは1年半前のことでした。“スピード受賞”の背景には、歴史ある雑誌作りのノウハウを生かした配信記事の作成や、ユーザーの反応を見ながら続けた編成の試行錯誤、社内他部署への働きかけなど多くの要因がありました。婦人公論.jp編集長で、LINEアカウントメディアの運用を担当する川口由貴さん、参画時から運用を担当していた谷口法子さん(2021年12月から婦人公論本誌の編集部に異動)に話を伺いました。

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【(左から)川口由貴さん、谷口法子さん】


社内から“敵”だと思われていた⁉ 立ち上げから受賞までの道のり

「LINEメディア賞の授賞式は、社のモニターで配信を映して皆で見てくれていたそうです。会社に戻り、あちこちから『おめでとう』と声をかけられました」と話すのは、婦人公論.jp編集長の川口さん。

大正5年(1916年)創刊の雑誌「婦人公論」が、Web版をスタートしたのは2019年4月のこと。しかし、当初社内の反応は芳しくなかったといいます。「Webに記事を全部出してしまうと雑誌が売れなくなる」という懸念があったのです。

立ち上げから携わっていた谷口さんは「社内にはデジタルについて詳しい人が少なかったので、Webは紙の出版物を脅かす“敵”のように見えていたのかもしれません」と、当時の雰囲気を分析します。

そんな空気が一変したのは2020年のことです。古関裕而をモデルにしたNHKの朝ドラ「エール」の展開に合わせ、中公新書「古関裕而―流行作曲家と激動の昭和」を再編集しWebに掲載したところ、大きな反響を得てPVが伸びました。結果として新書の認知度アップにもつながったそうです。

「本誌の記事に関しても、婦人公論.jpで先行して少し出したところ、その記事をきっかけにいつ発売の号に載っているかというお問い合わせもあったことなどで、社内の空気も変わってきました」(川口さん)

歴史ある出版社のため膨大なコンテンツがあるのに、それをWebでうまく活用できていない——その現実を肌で感じた編集部は、社内の各部を回ってWeb配信の利点を説明し、時間をかけてコンテンツ提供の協力を呼び掛けました

「今は本誌編集部や書籍部の担当者から積極的にコンテンツを提供してもらっています。婦人公論.jpの連載から生まれる本もあり、当初は部として独立していなかったこともあって社内で仕事が理解されにくかったのですが、今ではWebに対する社内の意識も確実に変わってきたと思います」と川口さんは話します。

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【授賞式でトロフィーを受け取る川口さん】

“婦人公論らしさ”をWebでも貫き、読者をつかむ

そんな婦人公論.jpがLINEアカウントメディアに参画したのは2020年8月のことでした。スタートは決して早くはありませんでしたが、他のメディアとは、ひと味違った“婦人公論らしさ”で読者を引きつけていきます

婦人公論.jpの強みは、誌面の特徴でもある「女性の人生に寄り添う記事作り」をデジタルでも踏襲していること。お金や健康、人間関係、介護、親子など人生で避けては通れないテーマを扱い、著名人への長尺のインタビューは話し手の人生をより身近に感じてもらえるような文章構成にしています。谷口さんは「Web版を開始する際、一問一答の対談形式に再編集しようかとも検討したのですが、ふたを開けてみると読者の方の反応もよく、この文体と長さでも問題がないことが分かりました。これは婦人公論の持ち味で“らしさ”の象徴でもあります」と説明します。

読者からの反応がいいのは、病気や介護、夫婦、母娘などのテーマに基づいた芸能人・著名人の独白記事です。ただ、有名な人なら誰でもいいわけではありません。

「雑誌編集部では、登場する著名人がメインの読者層である50代以上の女性になじみ深いか検討します。自分の人生観を自分の言葉で語ってくださる著名人であることもポイントにしています」(谷口さん)

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【LINEユーザーからも反応が大きかった安奈淳さんのインタビュー】

また、読者が投稿する「読者体験手記」は、婦人公論を象徴する「人生を映し出すコンテンツ」であり、Web版でも大切にしているそうです。

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試行錯誤から生まれた「特集主義」

もちろん、メディアの特性だけでユーザーから高い支持を得たわけではありません。LINEアカウントメディアでの配信は、芸能人や読者の人生を丸ごとつづった読み応えのある本誌の記事を活用していたため、読者が1本の記事をじっくりと読む傾向があり、次の記事へ遷移しにくいことを課題に感じていました。

そこでたどり着いたのが“母娘関係” “夫婦”など1つのテーマに基づき8本の関連記事を組む「特集主義」です。当初は雑誌らしさを意識し、さまざまなテーマの記事8本を配信していましたが、この特集主義を実践し始めたところ回遊率が向上。この頃から配信に対するユーザー満足度を表すLINE独自の指標「エンゲージメントランク」のランキングで月間1位を飾るようになります。

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【8本を一貫したテーマで編成した配信】

「占いも読者から人気が高いコンテンツですが、その時の配信面のテーマが『人間関係』であれば、それに沿って(『健康運』や『金運』など数ある占い結果から)『対人運』をピックアップして配信するといった工夫もしています」(谷口さん)

また、LINEアカウントメディアに参画する際、懸念していたのは「デジタルユーザーに刺さるタイトルが付けられるか」という点でした。谷口さんは「デジタルに弱い社風という自覚があったので、Web業界に詳しい外部の協力者と共同でタイトル付けを行うことにしました」と話します。

協力者と議論の上、本誌とは違えて、あえて著名人の名前をタイトルに出さないやり方にしたことも。「有名歌手」や「大物芸人」とぼかすことで読者の興味を引きつけるためです。実際、これにより開封率や訪問率もアップ。記事を開くと読み応えがある独自のインタビューが展開され、ユーザー体験を損なわずに満足度を上げています。

同時に、LINEアカウントメディアの他の媒体を数多くフォローし、タイトル施策をウォッチ。よさそうな施策は積極的に取り入れていきました。特に2,3枠の画像枠はタイトルの文字数が8文字と短いため、タップしたくなるような有名人を画像に入れたり、人気のある著名人の顔写真をアップにしてタイトルで語りかける口調にしてみたりするなど、工夫を凝らしています。

配信を続けるうちに読者の反応の傾向が分かるようになり、たとえ他のプラットフォームで数字が大きく伸びた記事でも、それがLINEユーザーにも同様に当てはまるわけではないことなども分かるようになったといいます。

「週3回の配信は私1人で担当し、PDCAを回していました。週に3回、雑誌の締め切りがあるようで、夜半に船をこぎながら編成を考えることもしょっちゅうでした。人間関係など重いテーマの編成を考えながら寝てしまい、それが夢に出てくることも(笑)。『特集主義』で配信面をまとめるためには、最近の記事だけでなく古い記事を掘り起こしてテーマに沿って編成することも必要で、しんどいと思うときもありました。ただ、編集長が一任してくれたからこそスピーディーに対応できたと思いますし、熱意を持って進められました」と谷口さんは振り返ります。

試行錯誤して見いだしたユーザー満足度を上げる配信面作りが実を結び、競合の多い「女性部門」でのLINEメディア賞の受賞につながりました。

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LINEアカウントメディアの参画から今年の受賞に至るまで、ずっとコロナ下での配信でした。そのため“帰省”など婦人公論の鉄板の話でも出せていなかったネタもありました。今後状況が変わるにつれ、配信時間となっている平日の夜に外食へ出かけるなどユーザーのライフスタイルに変化があるかもしれません。改めて配信内容や読者像を考えていきたいです」と谷口さんは今後を見据えて話しました。

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ユーザーは“定期購読の読者” 顔を思い浮かべ配信

川口さんはLINEアカウントメディアについて「読者と最も距離が近いメディアで、読者の顔を思い浮かべながら配信ができています」と話します。

「LINEは多くの方が日常的に利用しているアプリで、週3回同じ読者にプッシュ形式で記事を届けることができます。これができるのはLINEアカウントメディアだけなので、ありがたいです。私たちとしては雑誌の定期購読者の方々のようなイメージですね。LINEユーザーの方々は私たちにとって離れない読者、非常に大切な読者だと捉えています」(川口さん)

谷口さんも「同じ読者に配信し、その方たちの反応を数値ですぐ捉えられるので、何の記事が刺さったのか分かりやすく非常にやりがいがあります」と話します。読者と共に、人生のテーマに寄り添う婦人公論ならではの今後の記事作りも楽しみです。

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【授賞式の後、オンラインにてお話を伺いました】

「婦人公論.jp」はLINEアカウントメディアで週3回ニュースを配信中。
芸能人の肉声、体験手記、独自目線でお届けします。

月・水・金の20時30分に配信
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【LINE NEWS AWARDS 2021】

LINE NEWSでは、毎年12月に開催するイベント「NEWS AWARDS」でメディアの表彰を行っています。
LINEアカウントメディアに参画するメディアを13ジャンルに分け、メディアの配信に対するユーザーの満足度を独自の指標「エンゲージメントランク」でランキング化。年間を通して最も支持を得たメディアを「LINEメディア賞」として表彰しています。


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